バーンアウト(燃え尽き症候群)について

最終更新日

YouTube player

バーンアウト(燃え尽き症候群)は、過度なストレスや長時間の労働によって、心身が消耗し、意欲を失ってしまう状態を指します。この概念は1970年代にアメリカの精神心理学者ハーバート・フロイデンバーガーによって提唱されました。特に対人サービス業に従事する人々に多く見られる現象ですが、最近では職種を問わず誰にでも起こりうることが明らかになっています。

バーンアウトの主な症状

バーンアウトには、以下のような代表的な症状があります。これらは相互に関連し合いながら現れます。

  • 情緒的消耗感: 仕事に対する情緒的エネルギーが枯渇し、疲れ果てた状態。顧客や同僚との関係構築に力を尽くした結果、精神的な疲労が蓄積されます。
  • 脱人格化: 他者に対して無関心または冷淡な態度を取るようになること。これは、職務上のストレスから生じる防御的反応とも言われています。
  • 個人的達成感の低下: 仕事の成果に対する満足感や有能感が著しく減少します。これにより、自信を失い、仕事へのモチベーションが低下します。
  • 休んでも回復しない: 休暇を取っても疲れが取れず、一時的には楽になってもすぐにやる気がなくなる状態が続きます。

バーンアウトの原因

バーンアウトの原因は以下のようなものがあります。

  • 個人要因: 完璧主義や高い自己要求を持つ人、他者との深い関係を築こうとする人が特に影響を受けやすいです。また、責任感が強すぎることも一因となります。
  • 環境要因: 過重労働や厳しいノルマ、不明確な役割などが挙げられます。特に長時間労働や職場の人間関係が悪化すると、バーンアウトのリスクが高まります。
  • 理想と現実のギャップ: 仕事に対する理想と実際の業務内容との間に大きなギャップが生じることが原因となります。
  • 過剰な期待: 仕事に対して過剰な期待を抱くことで、アイデンティティや生きがい、地位、承認欲求、人の役に立ちたい欲求が増えすぎてしまうことも影響します。

バーンアウトの予防と対処法

バーンアウトを防ぐためには、以下のような方法があります。

  • 休息とリラクゼーション: 定期的な休暇を取り、心身をリフレッシュさせることが重要です。特に睡眠不足は回復を妨げるため、十分な睡眠を確保しましょう。
  • 業務負担の見直し: 自分自身の業務量を適切に管理し、必要であれば上司と相談して負担を軽減することが大切です。また、小さな目標設定で達成感を得ることも効果的です。
  • 自己管理: ストレス耐性を高めるために、自分自身の生活習慣(食事や運動)を見直し、メンタルヘルスケアにも注意を払うことが必要です。
  • 期待値の調整: 仕事に期待し過ぎないこと。仕事だけで人の価値が決まるわけではないという認識を持つことが重要です。
  • 生きる期待の分散: 趣味や他の活動で生きる期待を分散させ、誰かのためになっていることを意識できるよう努めましょう。

バーンアウトからの回復

もしバーンアウトになってしまった場合は、まずは自分の状態を認識し、適切な休息を取ることが重要です。周囲からのサポートも大切であり、必要であれば専門家によるカウンセリングなども検討すべきです。

また、趣味や熱心になれる活動を通じて自分自身を再発見し、新たなエネルギー源として活用することも回復には効果的です。これらはストレス解消だけでなく、自信回復にも寄与します。

バーンアウトは一時的なものではなく、適切な対策なしには再発する可能性があります。そのため、自分自身の限界を理解しつつ、健康的な働き方を模索することが求められます。

 

シェアする